心配性ときどき温泉

心配性な筆者による、「これってどうなの」「こうした方がいいんじゃない」な記事がメインの予定です。それと、たまに温泉とか旅。

2016年06月

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zika_virus

 かなり以前から報道もされているジカ熱ですが、自分にとって何となく実像がおぼろげでした。そういったこともあるし、これから主な感染経路となるだろう蚊が増える季節に入ることもありますので、情報をまとめてみたいと思います。

●2000年代に入って流行
 ジカウイルス(Zika virus)による感染症です。1940年代に既に発見されており、人体からは1968年に初めて分離されたとのこと。2000年代に入ってからミクロネシア、フランス領ポリネシア、チリのイースター島、南アメリカなどで散発的に流行しており、2015年から始まった今回の流行では、アフリカ、中南米、インド、東南アジアなどで感染が報告されています。
 ちなみに日本で最初に感染した人が確認されたのは2014年初頭で、今回の流行については、今のところ(2016/6/21現在)感染者が出たという報告はされていないようです。また日本では、症状の重さや感染力などから感染症を分類する感染症法によって四類感染症(動物またはその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症)に分類されています。

●一般的な症状は軽度(参考*1)
 以下のような症状が出るようですが、一般的に軽度とされます。
○主な症状
 発熱(38.5℃超の高熱は比較的まれ)、斑状丘疹性発疹、関節痛・関節炎、結膜充血といった症状が、全体の半数以上の症例で認められたようです。
○その他の症状
 筋肉痛・頭痛(45%)、後眼窩痛(39%)、めまい、下痢、腹痛、嘔吐、便秘、食欲不振など。ギラン・バレー症候群、神経症状を伴ったという報告もあります。
○潜伏期間と不顕性感染率
 潜伏期間は3~12日です。しかし、不顕性感染率は約80%とあります。不顕性感染とは、“感染しても定形的な臨床症状を示さず健康にみえること”を指します。といういうことは、自覚症状が無い人が感染を広げてしまうということが有り得る、ということになりますね。
*1ジカウイルス感染症とは(国際感染症研究所)

●もっとも注意すべきは妊婦への感染による小頭症(参考*2)
 上記のように、多くの症状は致命的なものではないため、脅威としてはそれほどでもありません。
 しかし、妊婦に感染した場合、その子に小頭症が生じる可能性があることが結論づけられており、注意が必要です。最近出た情報によると、妊娠初期の感染が危険であり、妊娠中期以降については小頭症の有意なリスク上昇はなさそう(*3)とのことですが、用心に越したことはないと思います。
○通常より頭が小さいことで、障害が生じる可能性がある
 小頭症の定義としては、“同年齢・性別の赤ちゃんと比べて、頭の大きさがかなり小さい”ということでしかありません。しかし、頭が小さいということは脳の成長障害に繋がり、もし脳が成長障害をきたせば、てんかん、脳性麻痺、学習障害、聴覚・視覚障害などを生じることになります。
○根本的な治療法は今のところ無し
 加えて言えば、小頭症の根本的な治療法は現在みつかっていません。 発達を補助するよう、刺激や遊びのプログラムによる医療支援が行われます。
 小頭症でも支障なく成長する例もあるようですが、上記を考えますと、可能な限り発症するリスクは避けたいところでしょう。
*2FORTH|最新ニュース|2016年|小頭症 (ジカウイルス感染症の関連を含む)
*3妊娠初期のジカウイルス感染が危険 妊娠中期以降は小頭症の有意なリスク上昇がなさそう(日経メディカル)(医療従事者専用ニュースサイトなので、リード記事しか読めません)

●感染は、蚊の媒介か性交渉など
 問題となっている感染経路ですが、現在のところ蚊による媒介が主なものと考えられています。また感染者との性交渉も、経路としてほぼ確定のようです。
○蚊による媒介
 媒介する蚊としてはヤブカ(Aedes)属のAe. aegypti(ネッタイシマカ)、 Ae. Africanus、Ae. hensilli、Ae. polynesiensis、Ae. albopictus(ヒトスジシマカ)が確認されているようです(*1)。このうち、ヒトスジシマカは日本国内でもみられる種ですので、この蚊については特に注意したいところでしょう。もちろん、ジカ熱感染者の血液を吸っていない蚊については、刺されてもジカ熱が感染することはないと思われます。
○性交渉(粘膜や血液の接触?)による感染
 性交渉によっても感染する可能性が示唆されています。従って、妊娠を希望する女性はもちろん、その相手となる男性も、ジカ熱への感染に注意しなければならないことになります。一応、感染が疑われた場合にはコンドームを装着しての性交渉が推奨されています。
 また、どういった行為までが性交渉の範疇に入るかも一考の余地があるように思えます。感染を媒介する可能性があるものとして、具体的には唾液、血液、精液などが考えれますが、蚊が吸血によって感染を媒介する以上、血液についても扱いに注意した方がよさそうです。
○オリンピックが懸念材料
 以上より、ジカ熱の感染を避けるには、蚊に刺されないようにする、よく知らない異性と性交渉(粘膜接触)をしない、ということになろうかと思います。しかし、この点については折悪しく(楽しみにされている方には恐縮です)、今年はリオデジャネイロオリンピックが催されます。
 ブラジルで感染例が出ていることと考え合わせますと、蚊が活発化する夏に人々が渡航し、そして帰国することで一気に感染が広まるのではないかと自分は心配しています。

 ●まずは蚊対策を万全に
 心配ばかりではどうしようもないので、対策を考えたいと思います。
 性交渉や輸血は自分の判断で避けられる面が大きいと思います。やはり最も注意すべきは蚊(特に媒介することが確認されているヒトスジシマカ)でしょう。蚊対策は、熱帯性マラリアや日本脳炎といった、ジカ熱以外に蚊が媒介する病気の感染抑制にもなるはずです。
 しかし、気がつけば刺されていることがある位ですし、どのように対応すればよいでしょうか。
○蚊が発生しないようにする
 まず根本的な話として、蚊が発生しなければいいわけです。小さな水溜まりがあれば、そこで蚊は成長します。家の周囲に放置されているバケツや空き缶などがあれば、水が溜まらないようにするか片付けてしまうのがよいでしょう。今年になって業者用のボウフラ駆除剤が市販されるようにもなったようです。

○居そうな所に行くのを避ける
 上記と重複しますが、よどんだ水溜りは蚊にとって快適ですので、そうした所には近づかないのがよいと思います。墓石に古い水が溜まりやすい墓地、木や竹の洞に水が溜まる林の中なども避けた方がよさそうです。行かざるを得ない時には、皮膚を露出しない服装を心がけるべきでしょう。
○蚊対策グッズをフル活用
 そうした上で、防虫・殺虫グッズを適宜投入しておくと安心できそうです。容易に手に入りそうで、あまり人体に悪影響がなさそうなものですと以下のもの辺りでしょうか。
・蚊取り線香
 基本的な防虫剤ですが、天然の除虫菊を使った無添加・無香料のものがよさそうです。

・虫よけスプレー
 比較的最近になって出てきたように思われるスプレー式の防虫剤です。やはり添加物は少な目のものがいいでしょう。

・アロマオイル
 アロマオイルとキャリアオイル(ホホバなど)、そして水を混ぜるとお手製のスプレーを作ることができます。とある研究によると、ヒトスジシマカへの忌避作用はラベンダーが最も高かったそうです(*4)。また、同じくキャリアオイルと蜜蝋と混ぜてクリームにしてもいいようです。

*4セラピー役立ち情報その4:デング熱を媒介するヒトスジシマカを撃退する香り - 機能性アロマソサエティ

・誘虫灯
 これは現状では参考程度として書いておきます。
 少し攻撃的過ぎるかもしれませんが、電気で蚊(虫)を誘導して殺虫するというものです。太陽電池を動力源としているものは設置すればしばらく手間なし、薬剤を使わないので人間への害も無さそう、と良いことづくめに思えるのですが、どうも現状では「すごく効く」わけではなさそうです。よさそうなものが見つかったら紹介し直そうと思います。


 以上、夏の流行が危ぶまれるジカ熱の概要と現状をまとめ、今後の対策について考えました。また変化があれば加筆したいと思います。

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 近くの量販店で、少し前から見かけていたのですが、夏前のこの時期になって売り場の前面に出るようになってきましたので、今年もKIRIN(キリン)の「トロピカーナ ココナッツウォーター」を買ってみました。去年の夏前に買ってみて(当時の記事)、暑い間はしばしば飲んでいたのですが、涼しくなって飲まなくなるとともに忘れていました。

 手に取って知ったのですが、今年のものは去年とレシピが変わっており、従って味も少し変わっているようです。それなので、今回は去年とどう変わったのか、その辺りに重点を置いて書き留めたいと思います。

●成分
 まず、ラベルに書いてある栄養成分表示を書き出してみたいと思います(昨年の記事ではメーカーのサイトにリンクを張っていたのですが、成分が更新されますと過去のものは消えてしまうようですので、このようにさせていただきます)。
 まずは今年の成分から。表示単位はいずれも100mlあたりです。
 ・エネルギー(kcal)25
 ・たんぱく質(g)0
 ・脂質(g)0
 ・炭水化物(g)6.2
 ・食塩相当量(g)0.07
 ・ナトリウム(mg)28  
 ・リン(mg)1~3
 ・マンガン(mg)0.01~0.12
 ・カリウム((mg)20~68
 ・カルシウム(mg)1.0~5.5
 ・マグネシウム(mg)0.5~3.6
 一応、メーカーのリンクも張っておきます。
 ココナッツウォーター | ココナッツウォーター | 商品紹介 | トロピカーナ|Tropicana
 原材料名・栄養成分等一覧|商品一覧|商品情報|キリン
 
 次に、昨年の成分です。 前述の通り、メーカーサイトには既に情報がありませんので、ネット上で検索した過去のラベルの画像を参照して作成しました(自分では、去年のラベルの成分表を撮影していなかったため)。サイトにしか情報がなかった食塩相当量・リン・マンガン・カルシウム・マグネシウムは調べがつきませんでした。
 こちらも表示単位はいずれも100mlあたりです。
 ・エネルギー(kcal)18
 ・たんぱく質(g)0
 ・脂質(g)0
 ・炭水化物(g)4.5
 ・食塩相当量(g)調べられず
 ・ナトリウム(mg)0~10
 ・リン(mg)調べられず
 ・マンガン(mg)調べられず
 ・カリウム((mg)100
 ・カルシウム(mg)調べられず
 ・マグネシウム(mg)調べられず

 「果汁15%ココナッツ果汁入り飲料」であった昨年のものに対して、今年は「「果汁16%ココナッツ果汁入り飲料」」ということで、純然たるココナッツジュースではないことは変わりありません。100%のココナッツジュースとしては以下のものがあるようです。最近は量販店で見るようになってきたと思います。

 それはともかく、「トロピカーナ ココナッツウォーター」に戻ります。昨年と今年を比較してみますと、成分上はけっこう変化していることがわかりました。
 ポイントとしては以下の2点でしょうか。

カリウムは減少
 昨年の記事では、1本あたり470mgのカリウム含有であることを指摘しましたが、今年のものは100mlあたり20~68mgの含有量(=1本あたり約94~320mg)。かなり少なくなっています。昨年は原材料として記載されていた塩化カリウムも、今年のものは含まれていないようで、ラベル正面にあった「ミネラル470mg(カリウム)」という青い丸の囲み表記も、「賢い水分補給」という当たり障りのないものに差し替わっています。
 まさか自分が昨年指摘した点が影響したとは思いませんが、どうもメーカーとしてはカリウムを大量摂取できることを売り文句にするのは止めたようですね。20~68mg含有という書き方はかなりばらつきが大きいと感じられますが、カリウムの過剰摂取を心配する必要性は多少なりと軽減されたといったところでしょう。

カロリーは微増
 一方、カロリーは100mlあたり18kcalから25kcalと7kcal増えています。ボトル1本に換算すると117.5kcalで、昨年のものから33kcal増と増えた量は僅か(だいたいイチゴ4つ分くらい)ですが、ダイエットしている方は頭に入れていた方がよいかもしれません。

●味 
 例によって成分についてが長くなりましたが、味についても書いておきます。
 カロリーが増えた(=恐らくは砂糖が増えた)ということで、昨年のものよりも飲みやすい味になっていると思います。ただ、それは裏を返せば一般的な清涼飲料水に近くなった、とも言えるでしょう。
 やはり外で活動した後などにおすすめできる感じで、自分のようにデスクワークをしながらや、くつろぎながら飲むということでしたら、100%のココナッツジュースや、お茶などの方がよさそうだと思います。

 今年になって新しくなったキリンの「トロピカーナ ココナッツウォーター」の成分と味について書きました。また変化などがありましたら記事にしたいと思います。


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 先日、新潟県を旅してきましたので、そのことを書こうと思います。

●旅の経緯
 私事ですが、この2月の健康診断で尿酸値やコレステロールに黄色信号が出てしまいました。恐らくは、ふだん家で仕事をしており(つまり通勤による運動がゼロ)、しかも昨年後半は結構な立て込み具合だったので、運動時間が減ったためだと思います。ですので、 今度の旅は、徒歩での移動を多めに取ろうと考えました。

 新潟県阿賀野市にある出湯温泉の宿のひとつ、清廣館(せいこうかん)というところが自分は割と気に入っていて、年に1度くらいのペースで泊まっているのですが、この宿への旅に、徒歩という要素が結び付けられないかと考えました。それも、単に宿の辺りを一回りして帰ってくるよりは、他の温泉地から徒歩で移動してくるのが面白そうだと思い、周辺に良さそうな別の温泉地が無いか探してみました。
 出湯温泉は五頭温泉郷という温泉郷の一角を占めており、その近隣には今板温泉、村杉温泉という2つの温泉も存在します。しかし、出湯温泉からだと一番遠い村杉温泉でも歩いて30分くらいですので、これは少し近すぎます。

 どこか良いところがないものか、と「地図から探す」が便利な「じゃらんnet 」を見ていますと、咲花温泉というあまり見聞きしたことのない温泉地が見つかりました。何だかアニメにでも出てきそうな名前の温泉ですが、地元の組合のサイト(咲花温泉旅館協同組合)を見ると、1950年代になって成立した比較的新しい温泉で、阿賀野川沿いのなかなかに風光明媚な処の様子。
 地図を見る限り、出湯温泉への道のりも適当そうでしたので、この温泉地でよい宿が見つかれば、ここに1泊しようと考えました。旅館、組合、旅行サイトなどの情報を勘案し、良さそうな宿(詳細は後述します)を予約し、妻と2人で旅に出ました。

●旅程の詳細
 2泊3日の旅ですが、旅程としては以下の通りです。
 ・初日。新幹線と在来線で、都内から新潟県の咲花温泉まで移動し、1泊。
 ・2日日。咲花温泉から徒歩で阿賀野川を渡り、北上して五頭温泉郷の出湯温泉まで行って、1泊。
 ・3日目。出湯温泉より路線バスで新潟駅前まで移動し、新幹線で帰京。

 このうち2日目の徒歩での移動がこの旅の主目的と言えるでしょう(もちろん、2つの宿の温泉や食事も大きなウェイトを占めていますけれども)。実際に歩いた経路をGoogleマップで表現しますと以下の通りになります。だいたい14kmあまり、単純計算しますと徒歩で3時間半程度の道のりです。



 写真をけっこう撮ってきましたので、以下、実際の旅を振り返りたいと思います。

●初日
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 いきなりで恐縮ですが、大宮発の上越新幹線の中です。お昼として駅弁を食べました。
 気休め程度でしょうが体に気を遣って、選んだのは「30品目バランス弁当」。しかし、購入した後に、すぐ隣に50品目のものが売られていて、残念な気持ちになりました。

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 飲み物はトクホの黄金烏龍茶。最近ちょっと気に入っている一品です。

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 15時前に長岡駅に到着しました。

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 ここから信越本線(水色)で新津まで行き、そこから磐越西線(オレンジ色)で咲花へ向かいます。

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 車窓からは、初夏らしい田んぼの様子がうかがえます。

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 16時過ぎに新津に到着。乗り換えまで時間があったので、途中下車して新津の街を歩きました。

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 この日は日曜ということもあってか、静かでした。

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 雁木の下の信号機の配置に、雪国らしさを感じます。

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 16時半頃、磐越西線に乗って咲花へ。阿賀野川が見えてきました。

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 阿賀野川と磐越西線、咲花の位置関係はこのような感じです。阿賀野川のライン下りや水中花火大会などのイベントが催されているようですが、今回は旅の趣旨からも時期的にも外れていましたので、スルーです。

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 17時過ぎ、咲花駅に到着。駅前といっても特にお店などはありません。
 ちなみに「咲花」というのは1950年代に温泉が出た頃に改名された地名らしく、それ以前は「先鼻」と呼ばれていたそうです。

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 ときどきSLも走っているようですね。

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 福島県方面に向かう電車を見送ります。

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 都内からですと正味4時間といったところでしょうか。

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 駅前には「佐取古戦場」と記された碑がありました。後で調べたことですが、白虎隊も参戦した戊辰戦争の戦場跡とのことです。

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 駅から徒歩5分ほどで、1日目の宿「咲花温泉 碧水荘」に到着しました。源泉掛け流しのお湯に入れる宿は咲花温泉に幾つかありますが、こちらの佇まいが一番よさそうに思えたので選びました。

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 案内されたのは、阿賀野川に臨んだ一室。連休も終わった後ということもあり、お客は自分たち以外には1組だけのようでした。

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 さっそく浴衣に着替えます。帯にある「ヘキスイ」の素朴な縫い取りも嬉しいところ。

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 内湯と貸切露天がありますが、せっかくなので最初は貸切露天の方へ行ってみました。

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 濃厚な卵の匂いに、宿の名前通りの碧色のお湯。源泉の温度が高め(50℃超)なので、掛け流しですとかなり熱いです。が、それがまた有難いようにも感じられます。
 敢えて難点を言うと、阿賀野川に臨んで見晴らしが大きく開けているので、たぶん川の向こうの道路からこちらも丸見えではないか、ということでしょうか。自分は大して気になりませんが、妻はやはり気になるようでした。

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 部屋に戻りがてら、館内を少し散策。建てられてからそれなりに年数は経っているとは思いますが、適宜リフォームされており綺麗な印象でした。

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 湯上りにぼんやりしながら、暮れなずむ阿賀野川を眺めます。閑散期だからかもしれませんが、夕食は部屋で食べるスタイルでした。翌日の朝食は食事処です。

●2日目

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 心配していた天気も上々で、2日目の始まりです。

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 昨夜は入らなかった内湯に入ります。こちらも、向こうから丸見えと言えば丸見えのようです。

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 朝ごはんを美味しく頂き、出湯温泉まで徒歩旅の始まりです。

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 昨日お世話になった磐越西線。宿のすぐ近くを通っていますが、本数が少ないので音などはあまり気になりませんでした。

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 宿から駅前に向かう途中、咲花でほぼ唯一のお土産屋さんに立ち寄り。これからの道のりなど助言を頂いたりもしました。

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 事前の調べでは、宿を出てほどなく阿賀野川沿いの道を歩いていけそうだったのですが、自分たちが行った時はどうも川沿いの道が封鎖されているようでした。

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 川に沿った道を歩くことはできるのですが、すぐそこに見えている橋に辿り着くことができません。

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 仕方がないので、地図に示した通り大きく迂回して、阿賀野川頭首工という橋(?)の入口までやってきました。

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 土産物屋さんで「とうしゅこう」と言われた時には全く漢字変換が分からなかったのですが、調べてみると、これは厳密には橋ではなく、川から用水路に水を取り入れる可動堰のような役割を持つ施設とのことでした。

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 とはいえ、標識に書いてある通り、橋として通行することができます。管理主体が農林水産省ということで、信号機も一般公道とは少し違う感じです。

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 頭首工の手前でしばらく待っていると、信号に「○」が出て通行できます。

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 頭首工の上は車1台分ほどの幅です。風が強く、かぶっていた帽子が飛ばされそうになりました。

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 宿からは穏やかに見えた阿賀野川ですが、実際にはすごい量の水が流れています。泡立つ様子には少し怖くなります。

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 ようやく向こう側に辿り着いて一息。時間としては5分もかかっていないと思いますけれど。

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 阿賀野川を渡り終えたら、若松街道(国道49号線)を西に向かいます。けっこう頻繁にトラックが行き来しますが、歩道があるので歩きやすいかと。

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 途中にあったコンビニ(セーブオン安田小松店)で一休み。今回のルートでコンビニは結局ここのみでした。

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 左手は阿賀野川、右手は山並みと水田が続きます。

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 何かあって徒歩をリタイアする場合でも、バスを使うのは難しいようです。幸運にもトラブルはありませんでしたが、こういう旅の時には事前に地元タクシーの電話番号など調べておくと良いかもしれません。

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 地名で言うと草水(くそうず)の辺りで街道から右に折れ、北上する道に入ります。

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 行く手の高架は磐越自動車道ですね。

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 車通りもまばらで、そういう意味ではなかなか歩きやすいのですが、ここからしばらく別件で悩まされました。

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 それは毛虫(←嫌いな方は開かないでください)です。時期的なものなのか、木が茂っているところだけでなく、上に何もない路上にも結構な数が居て多少歩きづらく思いました。

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 全体の半分弱ほど進んだところで、道の駅ならぬ森の駅を発見。たぶん、道の駅のように半公的なものではなく、個人によるものだと思います。トイレと自販機があるだけの施設のようですが、それでも有難かったです。

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 人家が全くないわけでもありませんが、だいたいは田園風景か林の中といった道を歩いています。

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 一休みして旅を再開。水田からは蛙の声が聞こえます。

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 Googleマップによる下調べでは、後半、陸上自衛隊の日原演習場内の道が通れるかのように表現されていましたが、通れなかったので迂回。予定よりも早く国道290号線に入りました。しかし、この道は途中まで歩道もなく、大型の車も通るのでかなり怖いです。こういう道はなるべく避けたいところですが、代わりになりそうな経路もないので頑張って歩きます。

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 辛抱して歩いていると、歩道も表れ、五頭温泉郷の看板も見えました。もう少しです。

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 14時半過ぎ、五頭温泉郷の南端である村杉温泉に着きました。橋に辿り着けなかったり休憩したりなどしていたので、宿を出てから4時間ほどが経過していました。

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 五頭温泉郷は山の麓に広がる温泉郷で、水と緑が溢れている感じがします。山菜や筍などが普通に道端に生えていたりも。

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 村杉温泉の喫茶店で一休み。最近あまり昼食を食べる習慣がないのですが、長距離を歩く時などはやはり食事をとった方がよかったろうと思います。

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 村杉温泉を後に、もう少し北上して出湯温泉を目指します。両者の間にある今坂温泉を通過。

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 ようやく、出湯温泉の看板が出てきました。

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 最終目的地の出湯温泉には、16時に到着。歩いた時間は正味で4時間半といったところでしょうか。

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 出湯温泉は、華報寺というお寺に湧いた源泉に入れる共同浴場を中心にした温泉地で、県内最古と言われています。

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 こちらが2泊目の宿、清廣館の全景。開業300余年、現在の建物は昭和3年竣工という文化財的な宿です。

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 以前も泊まったことのある、2階の1室に宿泊。額や掛け軸など、詳しいわけではありませんが歴史がありそうなものが掛けられています。

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 古い建築とあってトイレは部屋ごとではなく共同ですが、シャワートイレへの換装など手が入れられており快適です。

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 部屋で一休みののち、温泉へ。

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 湧出量が少なく、宿では苦労されているようではありますが、掛け流しです。宿から徒歩1分のところに華報寺の共同浴場(入浴料200円)がありますので、そちらにも入るといいかもしれません。

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 池に注ぐ水の音を聴きながら過ごします。ちなみにこちらの食事は朝夕ともに食事処でいただきます。

●帰路
 3日目は特に写真を撮りませんでしたが、新潟駅までのタイムテーブルを書いておきます。
 バスの本数がそんなにありませんので、平日ダイヤにおいて新潟駅までバスで行く経路としては、恐らくこれが最適かと思います。
 10:15…出湯温泉 発(阿賀野市営バス
 10:37…五頭タクシー前(JR水原駅) 着
 11:10…水原 発(新潟交通バス S9 亀田・横越線)
 12:08…新潟駅前 着

 新潟駅についてからは新幹線が結構な頻度で出ていますので、あまり心配しなくていいかと思います。
 なお、検査数値的にはまだ分かりませんが、この旅以来、歩くように心がけたためか体重は少し落ちてきました。数値も良くなっていればいいなと思います。

●今回の宿
 咲花温泉の碧水荘は初めて、出湯温泉の清廣館は幾度目かの宿泊でしたが、自分としてはいずれも満足でした。自分たちが泊まった際の情報を軽くメモしておきます。

 ○碧水荘楽天トラベルじゃらん
  温泉:源泉掛け流し(熱め)
  食事:ご飯、地酒「雪影」が美味。阿賀野の郷土料理などもあるとのこと
  部屋:阿賀野川に臨む和室
  トイレ:部屋にあり(シャワートイレ)
  値段:2人で1.7万円程度

 ○清廣館日本秘湯を守る会
  温泉:掛け流し(湧出量少なめ・やや加温あり)
  食事:刺身こんにゃくが美味。山菜・川魚なども特徴的
  部屋:歴史を感じる和室。広め
  トイレ:共用(シャワートイレ)
  値段:2人で2.5万円程度

●反省点
 宿から宿へ徒歩で移動するという旅は初めてだったのですが、それだけに反省点がありました。
 まず、飲食料品や医薬品は持っておくということです。つい東京に居るつもりで、コンビニや自動販売機を当てにしていましたが、場所によってはそういったものが全くないこともあり得ますので、予め準備しておいた方がいいでしょう。
 そして、県道・国道などの幹線道路は歩くのに適しているか事前に確認することです。歩道がないと、かなり怖い思いをすることになります。今ならネットでかなり詳しく調べられますので、今後おなじような旅を考える際には、気を付けたいと思います。


 以上、咲花温泉から出湯温泉まで歩いて移動した、新潟の旅について書きました。また面白い旅ができたら、記事にしたいと思います。

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