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Dariusz SankowskiによるPixabayからの画像

 本はたくさん持っているのですが(本などが多すぎて、床が抜けるか計算したことを以前に書きました→集めた本やCDで床が抜けたらどうしよう…部屋の耐荷重と重量計算)、それでも新たに読みたい本が出てくることはあります。
 その場合、当然ながら、本屋さん(古本屋を含む)や図書館で新たに本を入手することとなりますが、そこで気になってくるのが、新型コロナウイルスについてです。

新型コロナウイルスは、本などから感染する?

 幸いマスクは備蓄してありますし(普段の心配が幸いしました)、心配し過ぎるとストレスで抵抗力が弱まりそうなので、予防に努める以外は気にし過ぎないようにして過ごしていますが、書店や図書館の本というのは不特定多数の人が触るものです。それを持ち帰り、例えば寝床などで読むという行為は、リスクではないのでしょうか?
 もっと言うと、本に限らず、お店に置いてある大半のものは、お客が自由に手に取ることができます。
 ただ、服やパッケージされた食品なら、洗濯したり容器を適切に破棄すれば、そこまで心配することもないと思います。けれども本は剥き出しの紙ですので、洗うこともできず、容器に当たるものもありません。そのまま家に持ち込むのは、少しためらわれます。

 各所の図書館のサイトなどを確認しますと、朗読会や講演といった各種イベントについて自粛するという情報が色々と出てきます。しかし、図書の貸出については、特に何の注意もされていないようです。→2月末日より、全国的に臨時休館となる図書館が大半となりました(お近くの図書館のウェブサイトをご確認ください)。が、既に借りられている本については特に注意喚起などはされていないようです。
 また、公共機関ではなく営利事業者である書店については、今のところ臨時閉店などは無いようです。
 図書館にしても、臨時閉館は「人が集まること」に対処するものであり、「図書の貸出そのもの」については特に留意されていないように思います。
 “本を介して新型コロナウイルスが感染するかもしれない”という心配は、杞憂なのでしょうか。けれども気になるので、新型コロナウイルスが本を介して感染し得るのか、調べてみることにしました。

つるつるした物に注意


 そもそも新型コロナウイルスが物を介して感染するのか、ということについて、まずは確認してみます。
 Yahoo!ニュースに掲載された記事によれば*1、「共用の食器(ビュッフェのトングやスプーンなど)や共用スペースのドアノブ・手すり・ひじ掛けなどに触ったら――1にも2にも、粘膜に触れる前の手洗いが有効です」とあります。図書館や書店の本も、ここに該当しそうではあります。
 さらに、表面がつるつるした平滑なものが、新型コロナウイルスの感染においては危険という記事も見つかります*2。本のページは、つるつるとはあまり言い難いですが、コート紙のカバーやフィルムが掛かった本の表紙部分については、用心が必要ではないかと思われます。
*1 広がる新型コロナウイルスからわが身を守るには(Medical Note) - Yahoo!ニュース
*2 新型コロナウイルスが潜む“ツルツル”のもの スマホに付いたウイルスから感染する危険も… - FNN.jpプライムオンライン

本からの感染も、可能性は無くもなさそう


 しかし、電車の手すりや吊革といった、不特定多数の人が四六時中さわるものと比較すると、図書館や書店に無数に並んでいる本は、それほど高頻度で人が触るとは言えません。それでも用心した方がいいのでしょうか。
 この疑問に答えるには、物の表面に付着した新型コロナウイルスが、どれくらいのあいだ毒性を保っているのかを知る必要があります。先の記事*2では、インフルエンザウイルスが、つるつるした面についた場合の寿命を、最大48時間としています。しかし、この数字が新型コロナウイルスでも同様なのかは確かではありません。
 新型コロナウイルスの寿命はどうなのか、さらに調べたところ、新型ではない従来のコロナウイルスについてですが、「病院のドアノブ、ベッドサイドテーブル、ナースコール用のベルなどの金属やプラスチックに付着したウイルスは、最長で9日間、感染力を維持することができる」との記述を見つけました*3
 「新型コロナウイルスも従来のコロナウイルスと同じ性質を持つとすれば」という前提はありますが、ひとつの判断材料にはなるでしょう。9日間という数字は、本においても、無視できない期間ではないかと思います。
 上記から、高くはないと思いますが、本に付いた新型コロナウイルスが感染力を保ち続け、触った人の手に付くという可能性はあると考えられます。
 もちろん、例えば3年前に入荷して一度も手に取られたことのない本などは、可能性が低いでしょう。反対に、大ベストセラーは可能性が比較的高い、ということになるかと思います。
*3 体外に出たウイルスの寿命 コロナはインフルの数倍以上か(2020年2月21日)|BIGLOBEニュース
 ※上記の元サイトでの記事。現在は削除されているようです→体外に出たウイルスの寿命 コロナはインフルの数倍以上か - ウェザーニュース


取り得る対策を検討しよう

 可能性が少しでもあるのなら、自分としては何らかの形で対応したいと思います。以下、基本的な方策から挙げていきましょう。

当面、新たな本を入手しない


 根本的な対処としては、新たに本を手に入れることを我慢することが考えられます。いささか窮屈ではありますが、逆に積読を消費する良い機会と考えるのも良いでしょう。
 または、お試し期間という気分で、電子書籍に親しんでもいいかもしれません。これならば、物体としての本ではありませんのでウイルスなどは気になりません。
 自分は数年前に購入したKindle端末を持っていますが、Kindleのアプリをインストールすれば、手持ちのスマホやタブレットでも読むことができます。「青空文庫」を底本とした0円のKindle本も割と数があり、著作権の消滅した名作などを読むのであれば、限りなく図書館に近い使用感を得られると思います。
 自分もそろそろ新調しようと思っていますが、新たにKindle用の端末を購入するなら、カラーも楽しめる「Fire HD」シリーズが良さそうです。



本に触った後に手洗い&本の表面をアルコールで拭く


 以降は、本を入手せざるを得ない場合の対処です。
 その場合の基本的な対応は、やはり手洗いでしょう*4*5。ただ、手洗いのみでは、本の表面に新型コロナウイルスが付着している場合、その根本的な対策にはなりません。従って、アルコールスプレーなどをティッシュにしみ込ませ、それで本の表紙や裏表紙、背を拭くくらいはしておいた方が、より安心ではないかと思います。自分が日常的に行く量販店では品薄気味のアルコールスプレーですが、例えばAmazonで検索すると、まだ在庫があるものも幾つかあります
*4 新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ
*5 新型コロナウイルス「最適な消毒薬は?」「安全な使い方は」「入手困難どうすれば?」薬剤師に聞きました(市川衛) - 個人 - Yahoo!ニュース

オゾンガスや紫外線という選択肢もあるけれど…


 上で言及したアルコールによる消毒は、新型コロナウイルスにも有効とされています。しかし、カバー部分ならまだしも、ページ部分の消毒には、すぐに蒸発するとはいえアルコールは使いにくいと思います。

 アルコールのように液体を使わず消毒する方法があるのかを調べたところ、幾つかの可能性があるようでした。
 1つは、オゾンガスを用いる方法です。環境機器を手掛ける企業のウェブサイトによりますと*6、「オゾンガス、オゾン水は、微生物やウイルスに対し高い殺菌効果を持ち」、現時点では、新型コロナウイルスへの効果実証は困難ながら「過去のウイルス同様に効果が期待されています」ということです。
 もう1つは、紫外線を用いる方法です。検索していて出てきたテレビ朝日のニュース記事によれば*7、「紫外線を12カ所から照射して機内を殺菌する」特殊な機械が、新型コロナウイルスの感染対策としてアメリカの空港で用いられているといいます。

 しかし、これらの選択肢は一般的なものではなく、正直なところ導入は難しいように思います。
 オゾンの方は、単なるオゾン発生器であれば比較的安価なものもありますが、中に物品を入れて集中的に消毒できる“殺菌庫”となると業務用の大掛かりなものしかなく、数十万円するようです*8
 紫外線についてもおおむね同様ですが、こちらは幾つか家庭用のものがあるようです。ただし、本を入れることは想定されていないため、効果のほどは未知数だと思います。

Amazon | オーデリック 家庭用衛生保管庫 OA127001 


 オゾンも紫外線も、新型コロナウイルスに対する有効性は高いとは思いますが、個人レベルで導入すようとすると、現状ではハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。
*6 オゾンガス|株式会社IHIアグリテック
*7 新型コロナウイルス感染拡大を受け、紫外線で最も除菌力の高いUV-Cライトを搭載した充電式UV除菌器<PEDIC>(ペディック)の公式サイトでコンテンツメディアを公開しました。 企業リリース | 日刊工業新聞 電子版
*8 OSL-H オゾン殺菌ロッカー 1個 アズワン 【通販モノタロウ】 19997968

本以外にも、もちろん気を付けないと

 本については、今のところ以上のような対応かと思われますが、本以外にも、気を付けなければならないものは幾つもあると思います。自分がそう感じている物についても、少し触れておきたいと思います。

スマートフォン(携帯電話)


 これは最初の方に参考として挙げた記事*2でも触れられているものですが、スマートフォン(携帯電話)には重々気を付けないと、と思っています。電車の中などでも使うため他人の呼気に接しやすい、家の外でも中でも触れ続ける、表面が平滑な物品、という各点からすると、感染につながる可能性はかなり高そうです。
 幸い、アルコールで拭いても短期的には問題がなさそうですので(長い期間にわたって毎日拭き続けていると、塗装などが剥げるかもしれませんが)、とりあえず外から帰ったらアルコールで拭くようにしています。

お金


 携帯よりもリスクは大きく下がりそうですが、硬貨や紙幣も注意が必要と思います。家の中で触れることはあまりないと思うので、家に戻った直後と、もし触った際の手洗いを徹底すれば問題ないでしょう。

上着・眼鏡・鞄など


 その他、外から家の中に持って帰ってきて、触れることの多い上記のような物品も、一応注意が必要かと思います。眼鏡は小まめに洗うこと、上着や鞄は、玄関口などに置いておいて、家に居る際は極力さわらないようにするのがよいかと思います。

不特定多数が触れる物に気付こう

 以上、本を介して新型コロナウイルスが感染するかについての考察と、とりあえずの対策を中心にまとめてみました。手洗いとアルコールによる消毒を過不足なく行うのが大切、と要約できるでしょうか。
 本以外にも、不特定多数の人の手が触れるものが要注意という点が重要かと思います。そうしたものが身の回りに無いか、確認してみるとよいでしょう。
 追加で何か気付いたことがあれば、また記事にしたいと思います。


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