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 温泉好きなのでいつでも温泉に入れればいいのですが、東京に居るとそうもいかないので、溜飲を下げる意味で時おり入浴剤を使っています。と言っても、あまり熱心に使っているわけでもなく、思い出した時に使うだけなのですが。
 どんなものでも自分にはあまり影響はないようなのですが、妻は肌が弱いので、やはり入浴剤がどんなものから成り立っているのか、少し気になります。

●入浴剤の有効成分と避けたい成分
 一口に入浴剤と言っても色々ありますが、多くは有効成分として以下の成分が含まれているようです。
 ・硫酸ナトリウム
 ・炭酸水素ナトリウム

 これらは本物の温泉でもよく見られるものですので、有効成分と言ってよいと思います。
 その他の成分は全て余計な添加物…とまでは言えないと思いますが、入浴剤を手に取って成分表を見ると、「有効成分」としてはだいたい上記の2つと、あとは植物のエキスや精油などが挙げられているはずです。

 では、害があるとされる添加物というのがあるのでしょうか。調べてみたところ、幾つか挙げられるようです。

・タール色素
 「赤色2号」とか「青色1号」などという、いわゆるタール色素については、食用とした場合には発癌性を有し、外用した場合にはアレルギーの原因となるとの説が根強く見られます。自分自身で幾らか調べたところ、この説は完全には裏付けられていないように思いましたが、妻の実感としては皮膚の状態が悪化するとのこと。
 プラスの情報が無く、マイナスの情報が複数ある以上、やはり避けておくべきだと考えます。

・プロピレングリコール
 実際の成分表などでは「PG」などと記載されていることが多いです。国立医薬品食品衛生研究所による「日本語版ICSC(国際化学物質安全性カード)」によれば、皮膚への症状は記載無しですが吸入した場合は「喉の乾き、咳」、眼に対しては「乾燥、痛み、掻痒」を生じる可能性が指摘されています。
 広く使われている以上、そうした症状が出るのは僅かな人なのだと思いますが、自分たちが「僅かな人」である可能性もあると考えられますので、注意しておいた方がよいでしょう。
(参考:ICSC_ 0321(プロピレングリコール)

・サリチル酸
 上記と同じく「日本語版ICSC(国際化学物質安全性カード)」によれば、皮膚の発赤、吸入すると咳、咽頭痛、眼に対しては発赤と痛みを生じる可能性が書かれています。皮膚症状についてしっかりと記載があるため、あるいは上記のPGよりも気にした方が良いかもしれません。
(参考:ICSC_ 0563(サリチル酸)


●手軽に手に入るのは?
 上記の成分を避けた上で、どんなものを使えばよいか探してみました。
 実際、ネットを見回すと該当するものはたくさん出てきます。以下の条件に沿うものを重視しました。
 ・入手が簡単(お店などでも手に入りやすい)であること。
 ・安価であること。

 「入手が簡単」とは、具体的には、某ドラッグストアのネット通販で取り扱いがあるかどうかを基準としています。

・入浴剤を選んで使う
 順当だと思われるのは、市販されている入浴剤の中から、上記の避けたい成分が含まれていないものを使うことでしょう。実際のところ、自分は数年前からこの考え方で入浴剤を選んでいます。
 自分がこれまで使っていたのは、アース製薬の「温素」という製品です。


 この温素、近年になって後継品として以下の製品が出ましたが、2種類あるうちの黒い方は、着色料等が配合されています。白い方は着色料こそ入っていないものの、加えられている成分の種類が初代のものよりは多い模様です。

 そのようなわけで、使うならば初代の方が望ましい、というのが自分の考えです。近所のドラッグストアでは後継品しか見なくなってしまいましたが、ネット上ではまだ以前のものが販売されていますので、置いてあるお店もあるのではないかと思います。
 ただし、難点が2点ほどあります。1つは意外と香りが強いこと。もう1つは、国内生産ではない(恐らくは全て中国産)ことです。後者は致し方ない面もあると思いますが、前者はちょっと困ります。着色料の件も含め、今後の製品で改められるといいのですが。

 その他、通常のドラッグストアで見るような有名企業の製品にはほとんど上記のタール色素・PG・サリチル酸のいずれか(あるいは複数)が含まれています。ほぼ唯一、それらが含まれていない定番商品として挙げられるのが、バスクリンの「日本の名湯 蝦夷の湯 登別カルルス」です。


 この「日本の名湯」シリーズは、各地の温泉をモチーフにラインナップを展開していますが、見る限り他は全てタール色素が配合されています。ですので、この「登別カルルス」にしても、いつ成分が変更されるかはなはだ心許ないものではありますが、ひとまず現状では、大丈夫だろうと判断します。

 その他、比較的マイナーな製品ですと、以下のものは成分上、よさそうです。

 特に右の製品を出しているビーバイイー(B×E)という会社は、かなり自覚的に無添加製品を手掛けているようですので、企業サイトなどを見てみるのもいいかもしれません。

 (2018年11月追記)さらに2017年秋以降、以下の2つの製品がリリースされ、注目しています。

 左の製品「BARTH(バース)」はドイツ製。炭酸水素ナトリウムに特化し、着色料・香料などは不使用の入浴剤です。1回分で300円程度とコストパフォーマンスは良くはありませんが、血行促進、疲労回復、肌のコンディション改善には定評があります。
 右の製品は、大手のバスクリンによる自然素材にこだわった一品。「オレンジの香り」「シダーウッドの香り」「レモングラスの香り」という3種類がありますが、「シダーウッドの香り」を使った感じでは、わざとらしくない木の香りで、身体も温まりますし、なかなか良いです。コスト面でもBARTHに比して優秀ですし、普段使いはこっちかな、という感じ。このまま定番商品化してくれるといいと思います。

 以上、幾つか選択肢は提示できたかと思います。が、総じて言いますと、普通に販売されている入浴剤の多くは、肌が弱い人にはあまりお勧めできないものではないか、というのが正直な感想です。

・温泉から採った湯の花はどうだろう 
 それでは、本物の温泉から採取される「湯の花」はどうでしょうか。効果だけなら間違いなく随一なのでしょうが、基本的には地元で買うものですので、ネットで購入ができるとはいえ手軽とは言い難いと思います。加えて、含まれている硫黄やナトリウム、カルシウムなどは、家庭の浴槽を傷める可能性がありますので、普段から使うにはその性質を理解して対応することが必要です。

 それでも、しっかりと成分を把握して使えるならば、最も温泉に近いと言えるでしょう。いずれ成分をよく調べてまとめられればと思います。

・自然物を使ったものはどうかな
 以上のように、温泉をなぞった入浴剤は成分的に結構な吟味が必要なのですが、「温泉の模倣」という視点から離れてみますと、他にもまだ選択肢があろうかと思います。バスソルトやゆず湯といった類のものです。

 毛色が違って見えますが、上のバスソルト系の2製品はどちらも同じシーラン(SEARUN)という会社のものです。こちらも無添加を信条としている会社のようです。

 それ以外にも、冬の柚子湯や5月の菖蒲湯など、季節の植物を湯船に入れて入浴するという習慣がありますね。都市部ではなかなか手軽にはできませんが、せっかくなので準備を整えて実施してみると良いかと思います。冬の蜜柑湯などならば、それほど手間もかからないでしょう。ゆず湯ならば、ティーパックのようにして楽しめる製品も出ています。

●いくつか組み合わせて使おう 
 結論というほどしっかりしたものではありませんが、入浴剤については「これ」と決めて1種類だけを使い続けるよりは、食べ物などと同じように幾つかの製品をローテーションして使った方が良いように思います。
 どの製品も決め手に欠けるという以上に、 その時々で必要とする効用も異なってくるだろうからです。自分としては、とりあえず「温素」やバスソルト系を基本としつつ、良さそうな新製品や季節ごとの植物湯などを挿んでいけるとよいかと考えています。

 以上、 入浴剤の成分について調べ、手軽に入手でき成分的にも満足できるものを探してみました。また新情報があれば、更新あるいは新記事を書きたいと思います。

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