心配性ときどき温泉

心配性な筆者による、「これってどうなの」「こうした方がいいんじゃない」な記事がメインの予定です。それと、たまに温泉とか旅。

タグ:クリスマス

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 先日、池袋の大型書店・ジュンク堂に行ったところ、1階の出入り口付近にあったオブジェに目が止まりました。それはかなり大きいものでしたが、見覚えがあったのは、自分が子どもの頃に家にあったクリスマスの飾りによく似ていたからです。
 真鍮のような金属で作られたそれは、ジュンク堂のものよりも全然小さいものでしたが、基本的な構造は同じでしょう。燭台のようにろうそくを立て、その熱で発生した上昇気流が上部のプロペラのような部分を回し、そこから吊された天使などの部品が鐘を叩いてチリチリという音を出すというものです。
 要するに最初に挙げた画像の通りの品なのですが、言葉で説明すると随分と分かりにくいですね。実際に動いている様子は、以下の動画をご覧いただくと良いかと思います。
 子どもの頃は何となくクリスマスのお飾りという認識しかありませんでしたが、これは一体、どういうものなのでしょうか。気になったので、少し調べてみました。

正式名称はエンジェルチャイム
 正式名称が解らないので、まずは「クリスマス ろうそく 回る」などの言葉で検索してみました。色々と見てみたところ、この飾りの正式名称は「エンジェルチャイム(Angle chaimes)」というそうです。
 英語版Wikipediaの記載によれば、アメリカでは1900年ごろにドイツ系の会社で作られたのが始まり*1だとか。なんとなく歴史がありそうだと思っていたのですが、意外と最近になって作られたものみたいですね。
 また、スウェーデン製のものが、第二次世界大戦後に世界的に人気になったという記述も幾つか見られました*2。それらを紹介した文章によれば「SwedenのGefleにあったAnderson&Boberg社によって初めて作り出されて、世界中で大ヒットした」ということで、これは先のWikipediaの記述と矛盾するように思われますが、多分、同じ名前の同じような商品が離れたところで登場した、ということではないかと考えます。
*1:Angel chimes - Wikipedia
*2:Amazon | Swedish Angel Chimes スウェーディッシュ エンジェル チャイム [並行輸入品] | 北欧雑貨 | キャンドル・キャンドルスタンド 通販


起源は恐らくクリスマスピラミッド
 なぜそう言えるかといいますと、調べるうちに、アメリカのドイツ系企業もスウェーデンの会社も、同じ「クリスマスピラミッド」というものを起源としてエンジェルチャイムを作ったようだと思い至ったからです。
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▲巨大なクリスマスピラミッド

 「ピラミッド」と名前にありますがエジプトとは無縁で、クリスマスピラミッドとは、ドイツのエルツ山脈地方の鉱山労働者の民間信仰に根ざしたオブジェとのこと*3*4。ドイツ語では「Weihnachtspyramide」と言うそうで、原語から既にピラミッド(pyramide)という言葉を使っているのに驚きます(でも、「ピラミッド」という言葉も元はギリシア語との説もありますし、同じヨーロッパの言語であるドイツ語に「ピラミッド」があっても、それほど奇妙ではないのかも)。
 語源はともかく、上に載せたクリスマスピラミッドの画像をご覧いただければ、基本的な構造はエンジェルチャイムと同じだということが分かるかと思います。
 その起源は中世にまで遡れるようで、元々は冬の憂鬱さを紛らわすものだったようです。それが、同じような目的でも使われていた、ろうそくの文化と混淆して、クリスマスピラミッドになった、という感じでしょうか。更に言えば、これがクリスマスツリーの原型、との説もあるようです。
*3:Christmas pyramid - Wikipedia
*4:Käthe Wohlfahrt


 思えば、ジュンク堂に置かれていたのも、エンジェルチャイムではなくクリスマスピラミッドだったのかもしれません。今も色々な種類のものが販売されているようで、木製の味わい深さを、エンジェルチャイムよりも好ましく思う人もおられることでしょう。


「キャンドルホルダー」の名前で派生品も色々
 スウェーデン製のエンジェルチャイムについては、その後その会社が閉鎖され、最近になってトルコの会社が製品の生産を引き継いだそう*2。ですが、あまり大量には作っていないみたいで、品薄状態のようです(すごくプレミアが付いているみたい)。

 ただ、派生商品と言いますか、「ろうそくが燃えることによる上昇気流でクルクルするオブジェ」は、色々なところで作られているようです。それらの多くは「キャンドルホルダー」「回転」といった言葉で検索すれば沢山みつかります
 価格も手ごろですし、もし家で楽しみたいということならば、この辺りから始めてみるのが良いかもしれません。

ろうそくは蜜蝋が本格的かも
 ただ、以前キャンドルナイトについて書いた時(ライトダウンの夜、和ろうそくの灯でお風呂はどうかな)にも触れましたが、ろうそくの材料には少し留意した方が良いかもしれません。ポピュラーなパラフィン製のろうそくは、燃焼させることで化学物質を出し、ぜんそくや、皮膚トラブルを引き起こすとされています。
 では、どんな原料が良いのかと言えば、やはり以前の記事の通り、蜜蝋(みつろう)や、ソイ(大豆)ワックス、パームワックス、コットンシードワックスということになります。が、ことエンジェルチャイムやクリスマスピラミッドに用いるのなら、蜜蝋が良いのではないか、と思います。
 というのは、キリスト教とミツバチには深い関わりがあるためです。一説によれば、ハチミツの甘さはキリストの慈悲を表し、ミツバチの針は最後の審判のシンボルであり、雌であるミツバチによって作られた蜜蝋のろうそくは、処女懐胎で生まれ、自らを人類の灯として捧げたイエス・キリストになぞらえることができる、とか。

 蜜蝋=キリスト説はともかくとしても、キリスト教は養蜂と蜜蝋とは深い関係があるのは確かなようです*5。クリスマスで用いるろうそくも、古式にのっとるとすれば、蜜蝋のものがよいでしょう。
 上の蜜蝋ろうそくは直径3.9cm。「ティーライト」と呼ばれる種類の普通の大きさでしょう。これまでに挙げたクリスマスピラミッドやキャンドルホルダーを1つ1つ確認してはいませんが、「ティーライト」を用いるものであれば、だいたい寸法が合うのでは、と思います。
*5:ヨーロッパの養蜂と民俗文化

 以上、池袋ジュンク堂から始まって、エンジェルチャイムとクリスマスピラミッドの起源を探り、キリスト教と蜜蝋の関係まで調べてみました。今年も素敵なクリスマスになりますように。

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 お酒も好きですが甘いものも好きで、折々の甘味を楽しんでいます。もちろん、ケーキも守備範囲内で、しばしば食べるのですが、お店のケーキ専門でいいのかなという気もしていました。というのは、お店のケーキの成分は明らかにされていないことが多いからです。イチゴやクリームが使われている、というレベルではもちろん解りますが、産地などの情報は分からないことが殆どかと思います。
 そういう心配もあったし、何より楽しそうということもあり、今年のクリスマスは自分でケーキを作ってみようと思い立った次第です。とはいえ、いきなりスポンジから作るのも大変そうだったので、そこは妥協し、スポンジは市販品を用いて、デコレーションだけ自分で行うという“半手作り”で、まずはやってみました。これなら手間は半分以下になるでしょう。

●生クリームを用意する
 スポンジは市販品を使いますので、生クリームを作るのがメインの仕事となります。
 量販店に行くと「クリーム」「ホイップ」「フレッシュ」など色々と似た感じのものがありますが、「クリーム」とは「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」とされています(厚生労働省:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)。それ以外は添加物が入っていたり、植物性の脂肪を混ぜたりしているようで、先日、某ヘルスメーターの会社のTwitterで物議をかもした「生クリームは食べるプラスチック」という発言は、乳脂肪に植物性脂肪や添加物を混ぜて作られるコンパウンドクリームのことだ、という説もあるようですね。
 そういう事情もありますので、購入の際には成分表示を確かめて、自分の意図に沿ったものを選ぶ必要がありそうです。

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 まぁ、混ぜ物なしの生クリームであっても摂り過ぎて良いことはないと思いますので使用は節度をもって、ということで。今回はタカナシ乳業の「特選北海道純生クリーム35」というものを使いました。乳脂肪分が35%のものですが、さらに42%、47%のものもあるようです。
  

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 ボウルに生クリームをあけ、泡立て器でホイップします。大切なのは冷たさのようで、ボウルを二重にし、外側のボウルには氷水を入れています。
 クリーム内の茶色の粉状のものは、今うちで使っているフィリピンで作られた褐色の砂糖(マスコバド糖)です。真っ白いクリームにはならないかな、と思いましたが、混ぜてみたらそれほど目立ちませんでした。

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 かなりの重労働です。どうやら乳脂肪分が低いと、泡立てるのに時間がかかるようです。

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 妻と交代で15分ほど泡立てて、ようやくデコレーションに使えそうな状態になりました。ここからはお楽しみの工程ですね。
 ちなみに、スポンジケーキは市販品の5号くらい(いちおう、成分は見て混ぜ物少な目のもの)を使っています。

デコレーションはお好みで
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 あとは好きにクリームやフルーツを乗せていけばいいのですが、初めてでもあるので今回は王道のイチゴを乗せることに。スポンジが二層なのでまずは中間層にクリーム、カットしたイチゴ、クリームの順で載せていきます。
 イチゴは、量販店で買った福岡県産「あまおう」を使いましたが、これが今回の材料費で最も高額だったかと思います。

 でも、こういう感じで材料について一点豪華主義でいけるのも手作りならではでしょうかね…。ちなみに5号で、あまりイチゴがゴロゴロしないケーキを目指しますと中間層に入れるイチゴは4~5個で十分かと思います(事前にカットしていたイチゴをだいぶ余らせてしまいました)。

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 上の層のスポンジを重ね、最上部にもクリームを乗せていきます。このクリーム塗りにはパレットナイフとかケーキナイフというものがあると便利ですが、無ければ普通のナイフでもなんとかなります。

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 上部に多めにクリームを乗せ、それが溢れ出るイメージで側面にも塗っていくと、いい感じです。側面を塗る際は、ケーキの方を回しながらやるのが定石のようです。これも、回転台と呼ばれる道具を使うのがセオリーのようですが、お皿を回すだけでも割とできます。ただ、大きいケーキの場合や、後の工程のデコレーションなどでは、やはり本格的な道具が欲しくなりますね。。

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 側面塗りまで終わったら、あとは絞り袋に入れたクリームとイチゴでデコレーションします。絞り袋と口金は、先述のクリームに付属していましたので、イージーにそれを使用しました。
 ちょっとだけホイップが足らなかったようでクリームが緩い印象を受けましたが、何とかケーキらしくなってきたかな。

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 イチゴは中間部を切り離して間にクリームを盛りました。

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 某所の忘年会でのデザートを参考にさせて頂いたのですが、目を付けてあげるとサンタさんっぽくなるのです。目にはチョコスプレーを使いましたが、小さなチョコチップとか、黒ごまなんかでもいいかもしれません。
 チョコスプレーとセットで買ったアラザンも散らして、雪っぽい演出も加えました。

なかなかの出来栄え(自画自賛)、反省点など
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 というわけで、クリスマスの夜に美味しく頂きました。
 味はなかなか良かったのが何よりなのですが、時間や材料費的にはどうでしょうか。

  時間:60分程度
  材料費:スポンジケーキ350円、生クリーム350円、イチゴ(あまおう)1,000円…計1,700円


 市販のスポンジケーキを使用したので、時間的にはかなり短く済みました。生クリームの扱いに習熟すれば、もっと短くなると思います。
 材料費は「あまおう」がかなり押し上げていますが、お店で5号のケーキを買うよりは安いんじゃないでしょうか。値段の経緯も分かっていますので、納得できます。イチゴを変更すれば、より安く上げるのも容易でしょう。

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 以上、市販のスポンジケーキを使って楽をしつつ、デコレーションだけ自前で作ってサンタさんケーキを“半手作り”してみました。またケーキを作ったら、記事にしたいと思います。

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