心配性ときどき温泉

心配性な筆者による、「これってどうなの」「こうした方がいいんじゃない」な記事がメインの予定です。それと、たまに温泉とか旅。

タグ:心配

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Dariusz SankowskiによるPixabayからの画像

 本はたくさん持っているのですが(本などが多すぎて、床が抜けるか計算したことを以前に書きました→集めた本やCDで床が抜けたらどうしよう…部屋の耐荷重と重量計算)、それでも新たに読みたい本が出てくることはあります。
 その場合、当然ながら、本屋さん(古本屋を含む)や図書館で新たに本を入手することとなりますが、そこで気になってくるのが、新型コロナウイルスについてです。

新型コロナウイルスは、本などから感染する?

 幸いマスクは備蓄してありますし(普段の心配が幸いしました)、心配し過ぎるとストレスで抵抗力が弱まりそうなので、予防に努める以外は気にし過ぎないようにして過ごしていますが、書店や図書館の本というのは不特定多数の人が触るものです。それを持ち帰り、例えば寝床などで読むという行為は、リスクではないのでしょうか?
 もっと言うと、本に限らず、お店に置いてある大半のものは、お客が自由に手に取ることができます。
 ただ、服やパッケージされた食品なら、洗濯したり容器を適切に破棄すれば、そこまで心配することもないと思います。けれども本は剥き出しの紙ですので、洗うこともできず、容器に当たるものもありません。そのまま家に持ち込むのは、少しためらわれます。

 各所の図書館のサイトなどを確認しますと、朗読会や講演といった各種イベントについて自粛するという情報が色々と出てきます。しかし、図書の貸出については、特に何の注意もされていないようです。→2月末日より、全国的に臨時休館となる図書館が大半となりました(お近くの図書館のウェブサイトをご確認ください)。が、既に借りられている本については特に注意喚起などはされていないようです。
 また、公共機関ではなく営利事業者である書店については、今のところ臨時閉店などは無いようです。
 図書館にしても、臨時閉館は「人が集まること」に対処するものであり、「図書の貸出そのもの」については特に留意されていないように思います。
 “本を介して新型コロナウイルスが感染するかもしれない”という心配は、杞憂なのでしょうか。けれども気になるので、新型コロナウイルスが本を介して感染し得るのか、調べてみることにしました。

つるつるした物に注意


 そもそも新型コロナウイルスが物を介して感染するのか、ということについて、まずは確認してみます。
 Yahoo!ニュースに掲載された記事によれば*1、「共用の食器(ビュッフェのトングやスプーンなど)や共用スペースのドアノブ・手すり・ひじ掛けなどに触ったら――1にも2にも、粘膜に触れる前の手洗いが有効です」とあります。図書館や書店の本も、ここに該当しそうではあります。
 さらに、表面がつるつるした平滑なものが、新型コロナウイルスの感染においては危険という記事も見つかります*2。本のページは、つるつるとはあまり言い難いですが、コート紙のカバーやフィルムが掛かった本の表紙部分については、用心が必要ではないかと思われます。
*1 広がる新型コロナウイルスからわが身を守るには(Medical Note) - Yahoo!ニュース
*2 新型コロナウイルスが潜む“ツルツル”のもの スマホに付いたウイルスから感染する危険も… - FNN.jpプライムオンライン

本からの感染も、可能性は無くもなさそう


 しかし、電車の手すりや吊革といった、不特定多数の人が四六時中さわるものと比較すると、図書館や書店に無数に並んでいる本は、それほど高頻度で人が触るとは言えません。それでも用心した方がいいのでしょうか。
 この疑問に答えるには、物の表面に付着した新型コロナウイルスが、どれくらいのあいだ毒性を保っているのかを知る必要があります。先の記事*2では、インフルエンザウイルスが、つるつるした面についた場合の寿命を、最大48時間としています。しかし、この数字が新型コロナウイルスでも同様なのかは確かではありません。
 新型コロナウイルスの寿命はどうなのか、さらに調べたところ、新型ではない従来のコロナウイルスについてですが、「病院のドアノブ、ベッドサイドテーブル、ナースコール用のベルなどの金属やプラスチックに付着したウイルスは、最長で9日間、感染力を維持することができる」との記述を見つけました*3
 「新型コロナウイルスも従来のコロナウイルスと同じ性質を持つとすれば」という前提はありますが、ひとつの判断材料にはなるでしょう。9日間という数字は、本においても、無視できない期間ではないかと思います。
 上記から、高くはないと思いますが、本に付いた新型コロナウイルスが感染力を保ち続け、触った人の手に付くという可能性はあると考えられます。
 もちろん、例えば3年前に入荷して一度も手に取られたことのない本などは、可能性が低いでしょう。反対に、大ベストセラーは可能性が比較的高い、ということになるかと思います。
*3 体外に出たウイルスの寿命 コロナはインフルの数倍以上か(2020年2月21日)|BIGLOBEニュース
 ※上記の元サイトでの記事。現在は削除されているようです→体外に出たウイルスの寿命 コロナはインフルの数倍以上か - ウェザーニュース


取り得る対策を検討しよう

 可能性が少しでもあるのなら、自分としては何らかの形で対応したいと思います。以下、基本的な方策から挙げていきましょう。

当面、新たな本を入手しない


 根本的な対処としては、新たに本を手に入れることを我慢することが考えられます。いささか窮屈ではありますが、逆に積読を消費する良い機会と考えるのも良いでしょう。
 または、お試し期間という気分で、電子書籍に親しんでもいいかもしれません。これならば、物体としての本ではありませんのでウイルスなどは気になりません。
 自分は数年前に購入したKindle端末を持っていますが、Kindleのアプリをインストールすれば、手持ちのスマホやタブレットでも読むことができます。「青空文庫」を底本とした0円のKindle本も割と数があり、著作権の消滅した名作などを読むのであれば、限りなく図書館に近い使用感を得られると思います。
 自分もそろそろ新調しようと思っていますが、新たにKindle用の端末を購入するなら、カラーも楽しめる「Fire HD」シリーズが良さそうです。



本に触った後に手洗い&本の表面をアルコールで拭く


 以降は、本を入手せざるを得ない場合の対処です。
 その場合の基本的な対応は、やはり手洗いでしょう*4*5。ただ、手洗いのみでは、本の表面に新型コロナウイルスが付着している場合、その根本的な対策にはなりません。従って、アルコールスプレーなどをティッシュにしみ込ませ、それで本の表紙や裏表紙、背を拭くくらいはしておいた方が、より安心ではないかと思います。自分が日常的に行く量販店では品薄気味のアルコールスプレーですが、例えばAmazonで検索すると、まだ在庫があるものも幾つかあります
*4 新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~ | 首相官邸ホームページ
*5 新型コロナウイルス「最適な消毒薬は?」「安全な使い方は」「入手困難どうすれば?」薬剤師に聞きました(市川衛) - 個人 - Yahoo!ニュース

オゾンガスや紫外線という選択肢もあるけれど…


 上で言及したアルコールによる消毒は、新型コロナウイルスにも有効とされています。しかし、カバー部分ならまだしも、ページ部分の消毒には、すぐに蒸発するとはいえアルコールは使いにくいと思います。

 アルコールのように液体を使わず消毒する方法があるのかを調べたところ、幾つかの可能性があるようでした。
 1つは、オゾンガスを用いる方法です。環境機器を手掛ける企業のウェブサイトによりますと*6、「オゾンガス、オゾン水は、微生物やウイルスに対し高い殺菌効果を持ち」、現時点では、新型コロナウイルスへの効果実証は困難ながら「過去のウイルス同様に効果が期待されています」ということです。
 もう1つは、紫外線を用いる方法です。検索していて出てきたテレビ朝日のニュース記事によれば*7、「紫外線を12カ所から照射して機内を殺菌する」特殊な機械が、新型コロナウイルスの感染対策としてアメリカの空港で用いられているといいます。

 しかし、これらの選択肢は一般的なものではなく、正直なところ導入は難しいように思います。
 オゾンの方は、単なるオゾン発生器であれば比較的安価なものもありますが、中に物品を入れて集中的に消毒できる“殺菌庫”となると業務用の大掛かりなものしかなく、数十万円するようです*8
 紫外線についてもおおむね同様ですが、こちらは幾つか家庭用のものがあるようです。ただし、本を入れることは想定されていないため、効果のほどは未知数だと思います。

Amazon | オーデリック 家庭用衛生保管庫 OA127001 


 オゾンも紫外線も、新型コロナウイルスに対する有効性は高いとは思いますが、個人レベルで導入すようとすると、現状ではハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。
*6 オゾンガス|株式会社IHIアグリテック
*7 新型コロナウイルス感染拡大を受け、紫外線で最も除菌力の高いUV-Cライトを搭載した充電式UV除菌器<PEDIC>(ペディック)の公式サイトでコンテンツメディアを公開しました。 企業リリース | 日刊工業新聞 電子版
*8 OSL-H オゾン殺菌ロッカー 1個 アズワン 【通販モノタロウ】 19997968

本以外にも、もちろん気を付けないと

 本については、今のところ以上のような対応かと思われますが、本以外にも、気を付けなければならないものは幾つもあると思います。自分がそう感じている物についても、少し触れておきたいと思います。

スマートフォン(携帯電話)


 これは最初の方に参考として挙げた記事*2でも触れられているものですが、スマートフォン(携帯電話)には重々気を付けないと、と思っています。電車の中などでも使うため他人の呼気に接しやすい、家の外でも中でも触れ続ける、表面が平滑な物品、という各点からすると、感染につながる可能性はかなり高そうです。
 幸い、アルコールで拭いても短期的には問題がなさそうですので(長い期間にわたって毎日拭き続けていると、塗装などが剥げるかもしれませんが)、とりあえず外から帰ったらアルコールで拭くようにしています。

お金


 携帯よりもリスクは大きく下がりそうですが、硬貨や紙幣も注意が必要と思います。家の中で触れることはあまりないと思うので、家に戻った直後と、もし触った際の手洗いを徹底すれば問題ないでしょう。

上着・眼鏡・鞄など


 その他、外から家の中に持って帰ってきて、触れることの多い上記のような物品も、一応注意が必要かと思います。眼鏡は小まめに洗うこと、上着や鞄は、玄関口などに置いておいて、家に居る際は極力さわらないようにするのがよいかと思います。

不特定多数が触れる物に気付こう

 以上、本を介して新型コロナウイルスが感染するかについての考察と、とりあえずの対策を中心にまとめてみました。手洗いとアルコールによる消毒を過不足なく行うのが大切、と要約できるでしょうか。
 本以外にも、不特定多数の人の手が触れるものが要注意という点が重要かと思います。そうしたものが身の回りに無いか、確認してみるとよいでしょう。
 追加で何か気付いたことがあれば、また記事にしたいと思います。


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 今やどこでも見かけるものに、Wi-Fiがあります。パソコンやスマートフォンなどを無線でインターネットに接続できるようにする仕組みですが、普及し始めたのは2000年代の末ごろからのようです。
 当初は「強い電磁波が飛ぶんでしょ? 大丈夫かな?」という漠然とした怖れから二の足を踏んでいたものの、ホテルやお店でも次々にフリーWi-Fiが導入され、「これだともう心配しても仕方がないかな…」と思うに至り、2014年頃に自宅でも導入を決めました。以来、確かに重宝しています。

▼我が家で使用中のWi-Fiルーターはこういうタイプ

 しかし、Wi-Fiルーターがひっきりなしに電磁波を飛ばしているのは確かなようですし、それが本当に「健康に害とならない」とは、まだ誰にも言えないのではないでしょうか。改めてその辺りを整理し、もしも害となる可能性があるのなら、その対応策を考えてみたいと思います。

●Wi-Fi=無線LANの一種で、電磁波を用いる
 まずは基本の確認です。そもそもWi-Fiって何なのでしょうか。
 総務省の子ども向けサイトの解説*1によれば、Wi-Fiとは「無線LANの標準規格のひとつ」とされています(「LAN」とは「Local Area Network」のことで、「構内通信網」などと和訳されるようです)。より細かく言えば、業界団体Wi-Fi Alliance*2による審査に通った無線LAN用機器に、登録商標「Wi-Fi」が付与されるという流れのようです。
 ともあれ、“「Wi-Fi」というロゴの付いた機器は、どんなメーカーのものであれ、組み合わせて支障なく無線LANが使える”ということを示す決め事、という理解でよさそうです。
 Wi-Fi(というか無線LAN)の原理の説明としては、総務省は「ケーブル線の代わりに電波を使ったLANのこと」と比較的あっさり説明しています*3が、「電波」とは、光より周波数が低い「電磁波」のことを指します。つまり、Wi-Fiは電磁波を用いた通信である、ということになります。ある種の恐れをもって語られることのある「電磁波」という言葉が、ここで登場してきました。
*1:情報通信白書 for Kids:情報通信用語集:アルファベット
*2:Wi-Fi Allianceについて | Wi-Fi Alliance
*3:ま行|用語辞典|国民のための情報セキュリティサイト


●Wi-Fiの電磁波は、家庭用としてはそこそこの高周波
 では、電磁波とは何でしょうか。専門的には電磁界とも呼ぶらしいですが、その専門的な言説を、誤解を怖れず思い切り要約すれば、電流が流れることで生じる“電界(電気的な力が働く空間)”と“磁界(磁気が働く空間)”が組み合わさって遠くまで伝わっていく波、と言えそうです。
 いまいちピンと来ませんが、それはともあれ。その波長や周波数によって、電磁波は、光・電波・電離放射線(ガンマ線など)といったものに分類されるようです。いま考えるのは、このうちの電波についてです。
 電波の中でも細かな区分があるのですが、いま話題にしているのは超短波(30メガヘルツ~300メガヘルツ)からマイクロ波(300メガヘルツ~30ギガヘルツくらい)の領域です。その辺りの各区分の周波数と利用方法を以下に箇条書きします(詳細な区分の全容は、参照したPDFファイル*4の3ページ目をご覧いただければと思います)。

〇超短波(30M~300MHz):FMラジオ、地上波アナログTV
〇極超短波(300M~3GHz):携帯電話・PHS、地上波デジタルTV、GPS、電子レンジ(2.45GHz)、
無線LAN(2.4GHz)、Bluetooth(2.4GHz)
〇センチ波(3G~30GHz):衛星テレビ、
無線LAN(5GHz)
〇ミリ波(30G~300GHz):衛星通信、レーダー
〇サブミリ波(300G~3THz):電波天文台

 大まかに、周波数が高くなればなるほど、新しく大がかりな設備に使われている、と言えそうです。
 無線LANが2か所に登場しているのは、2.4GHzと5GHzという2つの周波数帯を用いているため。Wi-Fiの回線を選ぶときに「○○-g-○○」「○○-a-○○」など同じような文字列で「a」と「g」の2つが表示されると思いますが、この「g」が2.4GHz、「a」が5GHzということのようです。
 ただ、2.4GHzにせよ5GHzにせよ、特筆したいのは、無線LANの電磁波は、家庭用としてはかなり高周波である、ということです。
 もちろんご覧の通り、家庭用の機器で同等の電磁波を用いたものは幾つか存在します。しかし、屋内で長時間つかわれることを前提とした機器は、今のところ無線LANに関するものだけだと言えるでしょう。
 この辺りが、自分の漠然とした不安に繋がったのだと思います。同様の不安を抱いた人が、電磁波メーターの数値に一喜一憂するのも、頷けなくはありません。
*4:電磁波の周波数、波長、エネルギー物質の大きさとの相対比較|https://www5.dent.niigata-u.ac.jp/~nisiyama/ElectroMagneticRadiation.pdf



●Wi-Fi(無線LAN)による電磁波の影響――総務省が明言するのは熱作用のみ
 ただ、ここで一足飛びに「Wi-Fiは危険だ」という結論を出すのは、早計とも思います。電磁波メーターも安いものではありませんし、どうせ用いるなら、正しい理解に基づいて、と思います。
 ここまでで分かったのは、Wi-Fiが用いている電磁波は割と高周波である、ということだけです。次は、その比較的高周波な電磁波の安全性(危険性)を検討しなければなりません。
 ネットで検索すると、マイクロ波に曝されることで、不眠症、小児発達障害、細胞増殖の阻害、脳機能・生殖機能の低下、心臓へのストレス、発癌、などの可能性を示唆する記述も出てきます*5。が、論拠となるような論文を辿りますと、それらの多くは生体外での現象についてだったり、動物実験の段階だったり、Wi-Fiを対象としていなかったり(例えばLTE・4Gの電磁波について。それはそれで気になりますけれど…)で、結論を出すにはまだ情報が不足しているように思います。

 また、2005年に世界保健機関(WHO)がファクトシート(その疾患等についての基本情報)*6を発表した、電磁(波)過敏症(EHS:Electromagnetic Hypersensitivity)という概念があります*7。これは電磁波に曝されることで身体症状が出たという人の訴えに基づくもので、皮膚症状(発赤、チクチク感、灼熱感)、神経衰弱庄、自律神経系症状(倦怠感、疲労感、集中困難、めまい、吐き気、動機、消化不良)が生じるとされています。けれども、今のところ電磁波との関連性は実証されておらず、どちらかというと、テクノストレスに関連したものとする心療内科的な捉え方が主流のようです。

 以上のごとく微妙な記述は散見されるものの、今のところ総務省が電波による影響として明確に認めているのは、低周波による刺激作用と、高周波による熱作用の2つだけのようです*8。無線LANは高周波ですから、これに曝されることで体内の温度が上がることは確からしいということになります。それについて、総務省では比吸収率(SAR)という数値で安全とされる基準を設けてもいます*9。
●予防的に対策しよう
 色々と気になる記載は出てきましたが、それらについては今ひとつ確証がありません。今のところ危険性はないとされている、というのが、とりあえず現時点での結論ということになりそうです。
 しかし、それは将来的に起こる危険性を否定することとイコールではないですね。アスベスト(石綿)が危険だと認知されるまで少なくとも200年以上かかったことや、人工甘味料の危険性がいつまでも否定されないことなどを踏まえると、今までにないほど身近で、常に高周波を発するWi-Fiについても、一応の対応策を講じたいと思います。
 とはいえ、最初に少し書いた通りWi-Fiは便利です。危険性あるいは安全性が確定されるまでは、不安さと便利さとの兼ね合いを見つつ運用しなければならないでしょう。とりあえず、思いつく対応策を挙げてみます。

〇そもそもWi-Fiを使わない
 根本的な対応としては、すっぱりWi-Fiを止めてしまうことです。その代わりにとして、これまで使用していたようにLANケーブルによる有線接続に戻すことになるでしょうか。しかし、パソコンはそれでよくても、例えばiPadなどはWi-Fiでの接続を前提としており、LANケーブルで接続することは基本的にできないと思います。
 それに、家の中でWi-Fiを使わないにしても、外に出れば様々な場所でWi-Fiは用いられています。全面的にシャットアウトすることは不可能に等しいでしょう。
(2018.10.30追記:下記を用いれば、有線でiPadなどを使用できるようです。ケーブルの皮膜が弱いため熱収縮チューブで補強する必要があるようですが、とりあえず選択肢にはなり得るかと。)






〇使わない時にWi-Fiルーターを切る
 もう少し折衷的な方法として、使わない時(主に就寝時)にWi-Fiルーターの電源を切る、という方法も考えられます。こうすれば、少なくとも無駄にWi-Fiの電磁波に晒されることはありません。1日のうち大体3分の1の時間をそういう形で過ごせるのなら、効果としても悪くないでしょう。
 けれども、当たり前ですが、その間はWi-Fiが使えないということになります。たとえば真夜中に地震があったりした時、すぐに大容量回線でネットにつないで、ニュースを確認することなどはできません。
 また、家族が居れば深夜までネットで動画を観たい人、逆に早朝からスカイプで友人とお話ししたい人も居ることでしょう。そういう家族の要望を容れると、ルーターを切れる時間はもっと少なくなるでしょうし、そのために毎日のようにOFFにできる時間帯を確認して電源を切ったり入れたりする手間も煩雑で、長続きさせるにはなかなか難しそうです。
 また、マンションなどの集合住宅ですと、隣室や上下の部屋のWi-Fiが入ったりする現象もままあるようです。お隣はまだしも、上下の部屋の方などに「夜はWi-Fiを切って下さい」とお願いするのは現実的ではないでしょう。

〇電磁波を遮蔽する・せめて離れたところに置く
 汎用性を考えるとやはり、どうにかして自分の周囲だけ電磁波を遮蔽する、という方向しかないと思います。検索すると色々なグッズが出てきますが、しばしば指摘されるように科学的根拠が曖昧なものも多いです。例えば「備長炭で電磁波が遮蔽できる」などという説も見られますが、特に根拠はないようです。
 確かに効果があるものと言えば、Wi-Fiの電磁波を遮断するために用いられるという、周波数選択性電磁遮蔽材(FSS: Frequency Selective Surfaces)*10ではないでしょうか。これを帽子や衣服の裏地に使うなどすれば、確かに電磁波を遮断できると言えそうです(ちなみに、全ての周波数の電磁波を遮断する遮蔽材は、今のところ無いようです。これは、周波数によって電磁波の性質が大きく変わるためだとか。喫緊なのはWi-Fiによる電磁波の遮断ですので、とりあえずは良しとしましょう)。
*10:周波数選択性電磁遮蔽材(FSS: Frequency Selective Surfaces)

 ただ、上記で示した素材そのものを一般人が購入するのはなかなか難しいと思われます。予め加工された帽子や衣服なら手に入りますが、それが本当に電磁波を遮蔽するか否かは、確かめてみなければ分かりません。…それに、どうもデザイン的に今ひとつなものが多い気もします。自分の感覚からして、割と普通に使えそうなのは以下のようなものでしょうか。






 Wi-Fiルーターの方を遮断材で覆って電磁波を遮るものも販売されていたりしますが、これは前述の「ルーターを切る」に等しいですね。これを被せるくらいなら、普通にルーターの電源を切った方がいい気がします。



 更に、もっとも手軽な対策としては、電磁波の発生元から距離を置く、ということでしょうか。電磁波もまた放射線と同様、距離の二乗に反比例してそのエネルギーが減衰するということが知られてます。
 例えば就寝時のスマホの置き場所などを工夫することが考えられます。あまり遠すぎると今度は非常時に困ると思いますので、枕元ではなく少し離れた棚の上に置くなどの工夫をすると良さそうです。あるいは、近くに置くにしても頭側ではなく足側に置くなどすれば、少なくとも重要な臓器への影響は低減できるかと思います。


 以上、Wi-Fiを主とした電磁波の危険性についての検討と、その対応策の考察でした。正直なところまだ分からない部分が多い気がしますし、自分でも何か検証して追記に足るような事項があれば、また書きたいと思います。

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 今冬は暖冬ということですが、それでもやっぱり暖房なしではいられない日はあります。自分の部屋は南西に面しており、晴れていれば日中はヒーターなどを入れる必要が無いほど暖かくなりますが、それでもフローリングの足元はスリッパを履いていても冷たいです。
 電気式の足温器などの購入も考えましたが、けっこう値が張りますし、我が家は使用アンペア契約を抑えています(その辺りはこちらの記事をどうぞ)ので余計な電力は使用したくないところです。

 ネットを調べてみると、同じように思われた方々が考案したと思われる、湯たんぽを段ボール箱に入れて暖を取る仕組みが見つかりました。ただ、単に箱に入れただけだと湯たんぽが冷めるのも早く、継続的に使用するのは難しいようでした。
 そこで思い出したのが、こうの史代さんによる戦時中の呉を描いた漫画『この世界の片隅に』に出てきた「大日本帝國の利器」火なしこんろです。要するに箱の中に断熱性のあるもの(古新聞やもみ殻)を入れて鍋釜の保温効果を高めるということなのですが、この考え方を応用してみました。簡易湯たんぽ炬燵とでもいったところでしょうか。
 実のところ昨冬(2014~2015年にかけての冬)も試したのですが、当時はあまり他人にはお勧めできない使用感でした。その後も色々と模索して、今冬のやり方では割と実用性が高まったと思いますので、ここではそのやり方を書き留めたいと思います。

●作り方・使用法
 作り方は簡単です。まずは通常通りに湯たんぽを用意します。
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 湯たんぽは、軟らかいものもあるようですが、足を乗せることになりますので、ここではハードタイプが良いと思います。自分が使っているのは小判型のものですが、縦に立てられるタイプですと、収納するときなどに便利でしょう。

 また、入れるお湯ですが、うちのやかんでは1回沸かした量だけでは湯たんぽの容量に足りませんので、残りは給湯器からのお湯を足す形で満タンにしています。
 全部沸騰したお湯でもいいのかもしれませんが、そうでなくてもこの方法ならば1日もちますし、あまり熱々ですと火傷の心配も増しますので、これくらいでいいかな、と思っております。
 ただ、お湯の温度はどうあれ満タンにするのが重要なようです。お湯の量が少ないと内部の気圧変化で変形したりする危険があるとされています。

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 用意のできた湯たんぽを、箱の中に入れます。箱の底にはあらかじめバスタオルなどを折ったものを二重に引いておきます。その底に発泡スチロールの板などを入れるとさらにいいかもしれません。
 箱の大きさは体格にもよると思いますが、2リットル入りのペットボトル飲料が12本入っていたものを使うと自分にはちょうどよいです。写真では以下の商品のものを使用しています。


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 湯たんぽの上から、さらにバスタオルをかけます。

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 その上に、古くなって着なくなったセーターをかけます。

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 さらに、古毛布を筒状に丸めたものを、立てるように挿し込みます。丸めた中心に足を入れる形になります。
 ポイントは、挿し込んだ毛布をしっかりと段ボールの底に届かせることです。隙間があると、そこから冷気が入ってきて暖かくなりません。

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 椅子の足元にセットして、足を入れて完成です。ひざ掛けを併用するとさらにいいと思います。
 外気温にもよりますが、都内西寄りの我が家では、真冬の寒い日でも12時間以上は温かい状態が続きます。机仕事が終わって寝ようかという時は、湯たんぽを取り出して布団の中に持っていったりもします。

●ここが利点
 利点としては以下のようなものが挙げられると思います。
・電気を使わない・省エネ
 お湯を沸かすエネルギー以外は使いません。
 ガス代は地域によって異なると思いますが、東京ガスにおいては、やかんでお湯を沸かすガス代は2.8円ほど(3回沸かして8.3円なので)。前掲の足熱機の商品情報によれば、「中」で1時間あたり0.7円の電気代がかかるとのこと(電気代も変動しますけれど)ですので、水道代や給湯器で使うエネルギー分を勘案しても、5時間以上使うならば、湯たんぽ炬燵の方に分がありそうです。
・火事の心配がない
 そもそも中に入っているのはお湯ですので、火元となり得ません。スイッチも何もありませんので、消し忘れということもないでしょう。

●ここが要改善
 一方、現状で気になるのは以下の点です。
・多少の手間はかかる
 やはり、スイッチ1つで温かくなる機械よりは手間はかかります。自宅で仕事をしておりますので、朝にコーヒーを淹れるタイミングで、一緒に湯たんぽ用のお湯も沸かすようにしています。
・低温やけどに注意
 タオル・セーター・毛布を用いて、湯たんぽが肌に直接さわらないようにはしていますが、お湯を入れたての頃は低温やけどの危険性は残っているように思います。実際、使い始めの頃は少し赤くなってしまったりもしました。
 厚めの靴下を履いて、様子をみながら使う必要があると思います。
・通気性に難あり
 低温やけどにも関連するかもしれませんが、現状では通気性に乏しいために、足に汗をかいて蒸れてしまうことがままあります。足を入れる空間をもっと広くすれば、汗もかきにくくなるかと思いますが、このあたりは今後の課題と言えそうです。

●結論:さらに改良しつつ使いたい
 個数としてはデメリットがメリットを上回っていますが、それでも、よほど寒い日でなければこれだけで凌ぐことができるというのは魅力です。何も無いよりは足元の温かさが断然ちがいますし、これからも改良を考えつつ、使っていこうと思います。
 湯たんぽ炬燵に限らず、簡単に移動できるという熱源というのは湯たんぽの大きな利点だと思いますので、他にも活かせそうなことがないかも考えたいと思います。

 以上、湯たんぽを使った炬燵による、節電と保温について記載してみました。画期的な改良や、湯たんぽを使った応用法を見つけたら、また記事にしたいと思います。 

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 たびたび書いていますが、この3月から猫を飼い始め、ビギナー飼い主として日々を過ごしております。浮遊する毛などの問題はありますが、猫氏の性格は品行方正で助かっています。ストレスでちょっと自分の毛を毟ったりもありますが、他に大きなトラブルもなく、自分の飼い主歴100日は無事に突破できた模様です。
 しかし、それでも課題はあります。比較的緊急性が高そうなのが、猫が外を恋しがる点です。

玄関からの脱走が心配
 猫を飼うにあたり、先達の方からは完全に室内飼育がよいと言われました。色々と議論はあるようですが、ともかく自分はビギナーですし、進言を受けて室内飼いを実践してきたのです。
 が、我が家の猫はもともと外猫として生きてきており、そのためたびたび外に出たがって鳴きます。今のところ脱走されたことはありませんが、外猫だった場合、脱走すると帰ってこないことが多いようで、気を付けないといけないと思っています。体格も普通の猫よりはいいようなので、脱走予防には本気で取り組まないといけません。
 我が家は戸建てですが、窓を網戸にして猫を放っておくということは、今のところありません。一方で、家の中のほぼ全域を猫の活動域としていますので、差し当たっては人間が玄関から出入りする際に乗じた脱走に、最も注意しなければならないでしょう。

現状の脱走防止策
 いま現在も、全くの無策というわけではありません。玄関のたたき部分と廊下との境目と、玄関ドアの前に大き目の段ボールの板でバリケードを作っています。
 しかし、猫が本気になればきっと乗り越えてしまうでしょうし、何より人間が出入りする時の労力がかかり過ぎます。まあ、足を高く挙げて跨ぐだけなんですが、大きな荷物を抱えている時などは煩雑この上ないことになっています。

CatCatch(キャキャ)の導入を検討中
 そういうわけで、玄関からの猫の脱走を防止する道具を探してみました。イメージとしては、玄関のたたき部分と廊下部分の間に仮設の壁とドアを作って、二重扉にするという感じです。これなら、人間が家から出る時も、仮設ドアを開ける→たたきに降りる→仮設ドアを閉める→玄関ドアを開ける、というように、猫の脱走を防止しながら快適に外出ができます。
 こうした仕組みが手軽にできるものはないか、と探してみたところ、1つだけありました。それが記事タイトルにした猫の脱走防止に特化したパーティション、CatCatch(キャキャ)です。

 支柱を床と天井に突っ張らせて設置するので賃貸の場合でも使用できるなど、性能的には申し分ないのですが(日本製ですし)、結構なお値段です。ちなみに楽天でもほぼ同じ値段で販売されている模様です。 

代替物はないのかな
 値段が高いといっても致し方ないのはそうなんですが、無条件に受け入れる前に、ちょっと他に使えそうなものがないか、検討してみたいと思います。
網戸用脱走防止フェンス

 本来は網戸前に展開させて脱走を防止するためのフェンスです。こちらは楽天の方が若干安いことが多いようです。
 CatCatchと同様、突っ張り棒支柱なので家を傷つけずにすみます。が、基本的に窓枠に突っ張らせて使うものですので、玄関部分の天上の高さには足りない可能性が高いです。その上、ただのフェンスなので、開閉してドアのように使うこともできないようです。これはちょっと、代替物としては厳しいでしょうか。

ベビーゲート

 こちらは人間の乳幼児が脱走しないようにするためのものです。なるべく高さのあるものを選びました。
 どちらも取り付けも開閉も楽ちんですが、やはり地上90cmそこそこの高さがネックでしょうか。こちらも猫の足止めとしては物足りないでしょう。

猫忌避スプレー

 ちょっと発想を変えて、物理的な障壁ではなく、玄関に猫が嫌いな臭いを付けてはどうかと考えました。
 しかし、これはちょっと可哀想ですし、何より我慢して突破されてしまえばそれまでですね。。

タニハタの「ねこ脱走防止とびら」
 タニハタという富山の組子制作の会社が、猫脱走防止に特化した職人技によるオーダーメイドの扉を作っています。以前は同社のウェブサイト内に販売窓口もあったようですが、現在は販売と施工を担当する株式会社403で受け付けているようです(タニハタ BLOG 窓口変更のお知らせ)。
 天然ヒバ材を用いた、まことに快適そうな逸品ですが、お値段はCatCatchよりも高いですね。一番安い「ガラス無し仕様 高さ1,750~2,000mm」というタイプで69,000円、最高額の「ガラスはめ込み仕様 高さ2,001~2,300mm」だと108,000円(いずれも税込、梱包・送料別途)となっています。
 ついでに言えば、こちらは「釘やビスでの設置」が基本のようです。タニハタさんによれば「ネコの重量や運動力は予想以上に大きく、1~2年の長い時間の間につっぱり強度が弱くなり扉が倒れる事態が発生いたしました」とのことで、相応の説得力はありますね。
 長い目でみればCatCatchよりもこちらがいいのかもしれませんが、大ごとは大ごとですね。どうでしょう。

現状の結論としてはCatCatchかな
  以上の検討を踏まえると、ひとまずはCatCatchかなぁ、といったところでしょうか。タニハタさんの言うことも一理あるんですが、強度の問題は、こまめに突っ張り支柱をメンテすることで代えられないかと思っています。
 あるいは、ネット上で幾人かの飼い主さんが披露されているように、素材を買ってきて自ら作成することでしょうか。その場合、こだわればいいものができると思いますが、慣れないので二の足を踏みます。
 CatCatchの方向で、もう少し家族とも相談してみたいと思います。

 以上、玄関からの猫の脱走を防止する方策を考え、脱走防止パーティションCatCatchについて検討してみました。また動きがあれば記事にしたいと思います。
 
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(画像提供: NIAID

 MERS(中東呼吸器症候群)が韓国で流行を始めてから、2か月弱といったところです。今のところ日本国内では感染報告がまだありませんが、韓国では感染者の報告が続いていますし、予断を許さない状況だと思われます。
 MERSの何がどれくらい恐ろしいのか、情報をまとめてみたいと思います。

●2012年、中東で初めて発生
 「中東…」という名前が示すように、MERSが初めて発見されたのは中東のようです。2012年9月、イギリスで中東への渡航歴のある重症肺炎患者から、新種のコロナウイルスが発見されたのが始まりとされています*1。
 コロナウイルスというのは、見た目が太陽のコロナに似ているから付けられた名前らしいです。記事の上部の画像がそのMERSコロナウイルスですが、確かにそう見えなくもありません。
 ちなみに2003年には同じコロナウイルスによるSARS(重症急性呼吸器症候群)が中国で流行しましたが、両者は別物とされています。
*1国立感染症研究所 中東呼吸器症候群(MERS)

●肺炎のような症状が主
 いわゆる肺炎様症状、つまり発熱や咳、息切れなどが主な症状です。消化器症状(下痢)を伴うこともあるそうです。
 症状が現れなかったり軽くてすむ人もいるようですが、高齢や基礎疾患(糖尿病、慢性の肺疾患、免疫不全)のある人は重い症状が出やすいとのこと*2。
 中東地域からの報告の中では、「MERSである」と診断が確定した人が症状が悪化して死亡する割合は、およそ40%とされているようです*1。
*2厚生労働省 中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A

●感染経路は不明、人から人への感染は限定的
 厚労省によると、感染経路についてはまだよく分かっていないようです。
 MERSウイルスを持っている動物としてヒトコブラクダが挙げられていますが、中東ならまだしも、韓国でラクダがそんなにウロウロしているとも考えにくいですし。感染の発端にはなっても、集団感染の原因にはなりにくいと思います。
 その点と、人から人へと感染と思われる例を踏まえて、厚労省のサイトでは「次々にヒトからヒトに感染すること(持続的なヒト-ヒト感染)はありません」としつつも、「感染予防対策の実施が不十分な」海外の医療機関等においては、患者から医療従事者や他の患者への、限定的なヒト-ヒト感染は報告されているとしています。
 つまり、人から人へは、そんなに感染しやすいわけではないけれど、イエスかノーかで言えばイエス(感染する)ということになりそうですね。日本政府は2014年にMERSを「二類感染症」(一から五まである数字が小さいものほど危険性が高い)としましたが、同じ「二類」には結核や鳥インフルエンザが含まれていることからも、MERSの危険性が推し量れると思います。

●いまのところ治療は対症療法のみ
 人から人へ感染し、死亡する場合もある病気なら、速やかに治療を施したいところですが、あいにくとMERSウイルスに特効のある治療は今のところ見つかっていません。
 京都府立大大学院の教授である塚本康浩さんのグループがMERSコロナウイルスと強く結合する抗体の大量精製に成功した、とのニュース*3が流れていますが、原理的にもこれは予防手段なので、感染した人の治療には使えないでしょう。
 さしあたっては、出現した症状(発熱や咳、息切れなど)に対して治療を施す、いわゆる対症療法で対処せざるを得ないと思います。具体的には、肺炎に対しては抗炎症薬、呼吸の不全には人工呼吸、下痢には水分補給、といったところでしょうか。
*3【韓国MERS感染】予防薬、京都府大グループが大量精製 既に韓国に配布 ダチョウの卵から取り出す- 産経ニュース

●基本的なことで予防できる模様
 特効ある治療法がない以上、予防が重要になってきます。
 上に書いた京都府立大が精製した抗体は、スプレー状にして、マスク・ドアノブ・手などに噴霧することで感染予防に効果があるとされています。が、この抗体はとりあえず公的機関や医療機関が使用するのでしょうし、すぐに市販されるものでもないと思います。
 一般人がすぐにできる予防としては、以下のものがあると思います。
石鹸、アルコールによる消毒
 感染症に対する基本的な予防策ですが、MERSに対しても有効とされています*4。石鹸による手洗いを頻繁に行うこと、消毒用エタノールで人の手が触れる場所を消毒すること、などですね。
*4新型コロナウイルス感染症の疑い例と確定例に対する医療 における感染予防と感染管理

マスクの着用・感染源から距離をおくこと
 患者の咳やくしゃみによって、口や鼻から感染すると考えられているため、ここを守ることが肝要です。したがってマスクの着用は有効とされています。
 患者との不用意な接触が韓国での流行の原因と目されていますので、もしも疑わしい人がいた場合、なるべく距離を取ることも重要でしょう。ちょっと暑いですが、特に病院などに出入りする際にはマスクを着けていった方が安心かもしれません。
規則正しく生活する
 これも当然と言えば当然ですが、MERSコロナウイルスもウイルスなので、身体が持っている抵抗力によっては感染を未然に防ぐことができるでしょう。食事と睡眠をきちんと摂ることは、MERSに限らず病気全般へのリスクを低減できると思います。
空気清浄機の導入
 HEPAフィルターを装着した空気清浄機類は、ウィルスを除去できるため、導入すれば安心できると思われます。ただ、日本での感染報告もない現状で、MERS対策のためだけに導入するのは、ちょっとためらわれるところかもしれませんけれど。
 HEPAフィルターを装着した空気清浄機は幾つかのメーカーが出していますが、メンテ性や消費電力など総合的にはシャープのプラズマクラスター登載空気清浄機がよさそうです(幾つか型番がありますが、空気中だけでなく付着したウィルスを抑制できるものとしては下に示したものが最もコンパクトです)。PM2.5などにも対応しているので、その辺りとの合わせ技としてなら、購入を検討するのもアリかと思います。

  以上、MERS(中東呼吸器症候群)について、その概要と、現時点での対応について検討してみました。新しいことが分かりましたら更新したいと思います。

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